会長コメント
年頭所感
2014/01/01森 詳 介
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、日本経済の潮目が大きく変わった1年でした。アベノミクス効果で為替や株価が好転し、関西でも生産や輸出が順調に回復しています。消費も、グランフロント大阪やあべのハルカスの開業効果などもあり、堅調な伸びを見せています。
ただし一部では、景気回復の一服感や、円安による原材料価格の上昇を懸念する声が聞かれます。また原子力発電所の再稼働が進まず、未だ、震災以来の電力不足の異常事態は解消していません。さらに、被災地の復興や災害に強い国土づくりの実現も待ったなしです。その点で今年は、日本経済を本格的な再生軌道に乗せる上で、重要な1年になると考えています。
昨年、関経連では、2020年の「関西のありたき姿」である、「日本の双発エンジンとして日本をリードする」、「アジア有数の中核都市となる」を実現するべく、2012年から3カ年の中期目標に基づいて、「関西イノベーション国際戦略総合特区の推進」、「震災復興支援」、「セキュリティの向上」に重点を置いた活動を展開してきました。
「関西イノベーション国際戦略総合特区」では、全国トップとなる43のプロジェクトが特区事業の認定を受けたのをはじめ、PMDA関西支部の開設など、イノベーション拠点としての関西の輝きを増すことができました。また「震災復興支援」では、ビジネスマッチングや復興を先導する人材の育成といった被災地のニーズに沿った取り組みを重ね、「セキュリティの向上」では、政府に対し首都中枢機能バックアップ体制の構築などを強く働きかけ、その必要性を広く浸透させることができました。
中期目標の最終年度を迎える今年は、昨年までの実績や課題、新たなチャンスの芽などを踏まえて、「関西の強みを活かしたイノベーションの促進」、「国土強靱化」、「KANSAIブランドの強化・発信」に重点的に取り組み、「関西のありたき姿」実現の足がかりを築きたいと考えています。
「関西の強みを活かしたイノベーションの促進」では、関西イノベーション国際戦略総合特区で築いた基盤のさらなる活用を促し、アベノミクスの目玉である国家戦略特区を最大限活かすために、イノベーションの源泉である企業や研究機関との連携を強化してまいります。
「国土強靱化」では、関西が政治・行政・経済のもう1つの核となる国土の複眼化を、強く政府に働きかけるとともに、リニア中央新幹線の東京~大阪間同時開業の実現にも取り組みます。
「KANSAIブランドの強化・発信」では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックや、その翌年の関西ワールドマスターズゲームズの開催決定により世界の注目が集まっている今を大きなチャンスととらえ、関西が一体となって、関西のブランド力を高める戦略を立案・実行し、インバウンド促進につなげます。
また、エネルギーの安定供給の実現、TPPなどの経済連携実現後のグローバル戦略再構築といった課題も山積しています。その1つ1つにも真正面から臨み、関西・日本の発展に貢献する所存です。
関経連では今年も、実行と実現、そしてスピードにこだわり、関西から日本の未来を切り拓いていきたいと考えています。
本年も倍旧のご支援をお願い申し上げます。
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