会長コメント
年頭所感
2015/01/01森 詳 介
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減があったものの、企業業績や雇用環境が改善するなど、日本経済、関西経済とも緩やかに回復した1年でした。
消費税率10%への引き上げが延期されたように足元の景気は一部で弱含んでいますが、2012年の政権交代以来の回復基調は今も継続しています。震災からの復興、低廉なエネルギーの安定供給や財政健全化など積み残した課題はありますが、明るい兆しははっきりと見て取れます。今年は、日本再興戦略をさらに力強く推進し、経済の好循環を確立する1年にしなければなりません。
関経連でも2012年から2014年までの第1期中期目標期間において、2020年の「関西のありたき姿」である「日本の双発エンジンとして日本をリードする」、「アジア有数の中核都市圏となる」に向けた基盤づくりを進めました。
関西イノベーション国際戦略総合特区では、全国最多となる49のプロジェクトが政府の認定を獲得し、PMDA関西支部も開設しました。昨年3月に指定を獲得した国家戦略特区では、すでに医療分野で4つの事業が始まっています。
政府の国土強靱化計画に複眼型国土構造実現に向けた関経連の主張を反映させるなど、東京一極集中の是正に向けた気運を高めることもできました。
ベトナムに進出した企業のサポート体制構築など海外とのネットワークづくりも進めました。関西ワールドマスターズゲームズの開催決定や「はなやか関西」シンボルマーク制定など、インバウンドでも前進しています。
この3年間、着実に「関西のありたき姿」に向けた歩みを進めることができました。関経連では新年度も、政府と歩調を合わせて、関西から日本経済再生を牽引してまいります。
新年度から関経連は、第2期中期目標期間に移行します。政府が日本再興戦略の柱に掲げている「地方創生」はこれから本格化しますので、次の3年間では、関西が率先して「創生」を体現したいと考えています。
そこで、現在策定を進めている次の中期目標では、「イノベーション」、「強靱な国づくり」、「インバウンド」の3つを、関西「創生」の原動力に位置づけ、新年度も重点的に力を注ぎたいと考えています。
「イノベーション」では、特に医療分野に重きを置いた活動を展開します。財界セミナーなどを通じてオール関西のアクションプランを策定し、産官学が連携してそれを実行に移してまいります。
「強靱な国づくり」では、次期国土形成計画の中に東京一極集中の是正が最重要課題として位置づけられ、省庁横断の現実的な政策にまで落とし込まれるよう、政府の背中を強く押してまいります。リニア中央新幹線の東京・大阪間同時開業も、新しい整備スキームを携えて、粘り強く働きかけてまいります。
「インバウンド」では、1月中には関西広域観光戦略を取りまとめ、Wi-Fi環境の整備や関西統一交通パスの創設などに速やかに取り掛かります。関西ワールドマスターズゲームズが開催される2021年を当面の目標に、関西へのインバウンドを飛躍的に増やしたいと考えています。
関経連では今年も、会員のみなさまとともに、関西のため日本のための活動を重ねてまいる所存です。
今年も倍旧のご支援をお願い申し上げます。
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