会長コメント
年頭所感
2016/01/01森 詳 介
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年、関経連はこれまで以上に「オール関西」を意識した活動を展開しました。
2月には、官民で関西広域観光戦略を策定し、「はなやか関西」シンボルマークを活用した関西のプロモーションや外国人向け統一交通パスの創設などに取り組みました。
7月には、産学官の参画による関西健康・医療創生会議を創設しました。現在は、ICTの活用や人材育成などのテーマについて検討が進められています。
近畿圏広域地方計画協議会の議論も、より広域の最適化に軸足を置いて進めました。今回から計画の名称が「近畿」ではなく「関西」広域地方計画となり、今年度中には、スーパー・メガリージョンの一翼を担う関西にふさわしい計画が策定される見込みです。
こうした活動を、府県や産学官の枠を超えて、関西が一丸となって展開できた意義は大きいと思います。「関西はひとつひとつ」と揶揄された時代は過ぎて、関西が団結の時代に入ったという手応えを感じることができた1年でした。
一方、関西経済に目を向けますと、好調なインバウンドに伴う消費の底上げなどに支えられて足元では緩やかに回復していますが、中国経済の減速や欧州情勢の不安定化など先行きの不透明感は強まっており、産業競争力のさらなる強化が求められています。また11月のTPPの大筋合意は大いに歓迎すべきことですが、このチャンスを活かすには新しいビジネス環境への適応が不可欠です。関西はまだまだ進化していかなければなりません。
関経連は今年、昨年からの引き続きとなる「複眼型国土構造の形成」、「健康・医療イノベーション創出」、「広域観光の推進」に「アジアでのビジネス機会創出」を加えた4つを重点事業とします。昨年までの活動をよりブラッシュアップして具体的なアクションにつなげるとともに、アジア・ビジネスの厚みを増すことで、関西をさらに高次のステージに引き上げたいと考えています。
「複眼型国土構造の形成」では、スーパー・メガリージョン構想の具体化を目指します。特に、構想の中核となるリニア中央新幹線の東京・大阪間の同時開業は、関西をあげて強く働きかけます。北陸新幹線の大阪までの早期開業も、粘り強く訴えていきます。
「健康・医療イノベーション創出」では、健康・医療専門委員会と関西健康・医療創生会議を両輪として活動を加速します。民間で解決できる課題は健康・医療専門委員会でスピード感を持って対応し、産学官の連携が必要な課題は関西健康・医療創生会議に持ち込むスタンスで、関西の健康・医療産業の発展に貢献します。
「広域観光の推進」では、今年、新たに設立する「関西国際観光推進本部」を核として、Wi-Fi環境の整備や広域観光ルートのプロモーションなど、関西広域観光戦略を着実に実行します。宿泊施設不足の解消にも取り組みます。
「アジアでのビジネス機会創出」については、TPPの発効を見据えてアジアとの関係の高度化を進めます。アジアにおける「親関西人材」の拡大を図るとともに、ODAを活用したビジネス進出のための支援策を再検討します。
関経連は今年10月1日に創立70周年を迎えます。会員のみなさまの長きに渡るご支援に深く感謝申し上げます。
関経連は今後も、実行と実現、そしてスピードにこだわり、会員のみなさまとともに関西から日本の未来を切り拓いていきます。
今年も倍旧のご支援をお願い申し上げます。
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