会長コメント
年頭所感
2022/01/01会長 松 本 正 義
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年も新型コロナウイルス感染症による混乱が続く一年となりました。そのようななか、バイデン政権が誕生した米国と中国による対立の先鋭化、東アジアをはじめとする各地域での不安定要素の顕在化など、国際情勢の不透明感も強まりました。また、気候変動問題が企業経営のあり方や産業構造全般に影響する重要な要素であると認識された一年でもありました。
国内では、コロナ禍のもとでの東京オリンピック・パラリンピック開催がわれわれに明るい話題をもたらし、10月に誕生した岸田政権は、「三方よし」の理念を重視し、成長と分配の好循環に向けた「新しい資本主義」を掲げ、わが国の新たな方向性を示しました。
関経連にとっては、昨年は長期ビジョン「関西ビジョン2030」の初年度にあたり、ビジョンをもとに、いかに具体的事業を形づくるかを検討する一年となりました。こうした検討のもと、11月に「第1期中期計画(2022~24年度)」を策定したところです。加えて新型コロナウイルス感染症患者の急増により医療体制の逼迫が懸念された際には、臨時大規模医療施設の設置を提言し、その実現に尽力するなど、機に応じた取り組みも行いました。職域単位でのワクチン接種等、当会からのさまざまな協力要請に応じてくださった会員の皆さまに心から感謝いたします。
本年は、「関西ビジョン2030」で掲げた関西のありたき姿の実現に向け、いよいよ「第1期中期計画」を始動させる年となります。
「地方分権・広域行政」については、関西広域の視点に立ち、道州制実現につながる地方分権改革を働きかけるとともに、関西広域連合のさらなる発展に向けた支援を行います。また、「三方よし・民の力」では、マルチステークホルダー主義に基づく企業経営を広めるべく、「民の力」を企業が効果的に発揮できる仕組みを検討します。これらは当会が長年にわたり取り組んできた、あらゆる活動の底流をなすフィロソフィーと位置づけているテーマであります。
「グローバル・アジア」に関しては、アジア・ビジネス創出プラットフォーム(ABCプラットフォーム)を中心に、アジアをはじめ世界との双方向のつながりをさらに強化します。「イノベーションエコシステム」「産業プラットフォーム」では、さまざまな角度からイノベーション創出を進め、「DX」については「関西DX戦略2025(仮称)」の策定とその実践に取り組みます。また、「環境エネルギー・GX」については経済成長と環境の両立に向けた意見発信を行い、「都市・観光・文化」では関西観光本部と連携し、アフターコロナ、大阪・関西万博を見据えた観光振興に取り組みます。
「雇用労働・D&I」に関しては、昨年発表した「関西D&Iビジョン」を体現すべく、企業に行動変容を促します。「スポーツ」については、「関西スポーツ振興ビジョン」の実現に向け、新たな推進体制の構築を進めていきます。
加えて、「経済財政」「国土・インフラ」といった経済活動の基盤となるテーマにも取り組んでまいります。
現在ドバイ万博が開催されていますが、「2025年大阪・関西万博」の準備がいよいよ本格化します。その成功に向け、基本計画の推進、レガシーの創出、全国的な機運醸成などに当会としても貢献してまいります。
先行きは予断を許しませんが、本年はコロナ禍を乗り越え、浮き彫りとなった課題を克服していく大切な一年となります。関西が先駆けとなり明るい未来を拓くべく、「ONE関西」となって共に踏み出そうではありませんか。
皆さまの倍旧のご支援をお願い申し上げます。
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