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会長コメント

経済安全保障法制に関する提言についてのコメント

2022/02/01
公益社団法人関西経済連合会
会長  松 本 正 義



   

 本日、政府の経済安全保障法制に関する有識者会議による提言がとりまとめられた。我が国の経済活動・国民生活が様々なリスクに対して脆弱なものとならないよう、サプライチェーンの強靭化、基幹インフラの安定性、研究開発、特許について、官民が連携して対策を講じることは重要である。諸外国で同様の仕組みが導入されている状況に照らしても、今回の提言に盛り込まれた内容は、我が国の経済活動、国民生活の安定・安全に寄与するものと評価し、体系的な枠組みが打ち出されたことを歓迎したい。

 なお、制度の設計・運用にあたっては以下のような点に留意が必要であると考える。
 第一に、自由貿易体制の維持・発展は我が国・世界にとって極めて重要であり、今後導入される制度はそれを脅かすものであってはならず、国際貿易ルールとの整合性に十分な留意が必要である。
 第二に、企業活動への制約は必要最小限のものとされるべきであり、また過度な負担を課すものであってはならない。また、企業が対応するに当たっての予見可能性ができる限り高められることも重要である。
 第三に、関西を含む各地において、既に様々な産学官連携の取組が進められており、重要技術の開発支援に当たっては、こうした取組の活用も有益である。
 第四に、企業の活動はグローバルに展開しており、経済安全保障に関する制度についても国際的な意見交換・情報交換を通じて制度の重要性や方向性についてできるだけ幅広い共通認識が醸成されることが重要である。

 以上の点を念頭に置きつつ、政府におかれては、引き続き産業界・企業と丁寧なコミュニケーションを図っていただくよう求めたい。

以  上