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会長コメント

四半期開示制度における見直しの方向性に関するコメント

2022/04/18
公益社団法人関西経済連合会
会長  松 本 正 義



   

 関経連では、四半期開示制度は短視眼的な経営を助長しかねず、かつ、企業の負担も大きいとして、その義務付けを廃止すべき、と繰り返し提言してきた。さる4月5日には、政府において四半期開示の見直しに関する検討・議論が行われていることを踏まえ、緊急提言を公表し、当会の主張を改めて表明したところである。

 こうしたなか、4月12日の「新しい資本主義実現会議」第5回会合における鈴木金融担当大臣の提出資料にて、四半期開示の見直しに関して「法令上の四半期報告を廃止し、取引所の四半期決算短信に『一本化』する」との方針が示された。
 また、本日の金融審議会「ディスクロージャーワーキンググループ」においても、同様の方針で議論がなされた。

 この度の見直しの詳細はなお明らかではないが、岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の下で、望ましい方向への第一歩が踏み出されたものと評価したい。

 なお、今回は、欧州やシンガポールのような義務付けの廃止(注)にまで至ったものではなく、政府においては、今回の方針を第一歩として、より抜本的な制度の見直しに向けた検討が続けられるよう期待したい。また、企業の負担をどの程度軽減するかについては、監査レビューのあり方など制度の具体的内容に左右されるところも大きく、今後の検討を注視してまいりたい。

以  上

(注)義務付けが廃止された欧州各国では、引き続き多くの企業が四半期開示を続けていると説明されることがあるが、実際の開示状況を確認したところ、財務諸表を四半期ごとに開示している企業はごく一部にとどまるとの調査結果がある。