会長コメント
「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の閣議決定に関するコメント
2022/06/07会長 松 本 正 義
本日、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が閣議決定された。
新しい資本主義という課題設定は、新自由主義による行き過ぎた株主偏重、近視眼的な経営等からの転換を目指し、格差のない安定した社会構築を目指す国際的な趨勢にも対応するものとして時宜を得たものと考える。
今回の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」には人への投資と分配、マルチステークホルダー型企業社会など重要な方向性が盛り込まれている。
とりわけ、四半期開示の見直しについては、望ましい方向への第一歩が踏み出されたものと評価したい。
ただし、マルチステークホルダー型の経営に支えられた新しい資本主義を実現するためには、いかに各企業に対して中長期的な視点にたった投資、そして、社会を構成するすべてのステークホルダーに対して、それぞれの貢献度に応じた公平で平等なバランスの取れた価値の分配を重視する姿勢などを定着させられるかが鍵を握る。
そのために必要なコーポレートガバナンス・コードの再点検や情報開示、税制などの諸制度に関する見直しについては、なお今後の議論に委ねられているところが大きい。
当会としては、今回の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を第一歩として受け止め、今後も継続的議論を求め、調査・提言活動を行うとともに、研究 開発の強化、賃金の引き上げやパートナーシップ構築宣言の趣旨に則った取引の適正化の促進などについて、尽力してまいりたい。
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