総合経済対策の閣議決定に関するコメント

　本日、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」が閣議決定された。現下の物価高への対応とともに、設備投資・賃上げ・人への投資による経済の好循環に向けた総合的対策が打ち出されたことについて、経済界としても大変心強く感じている。

　当会はかねてより、法人実効税率の一律の引き下げ論にピリオドを打つ一方で経済活力をけん引する効果が大きい"的を絞った政策"に重点をおくこと、および、分厚い中間層の形成することを重視して提言を行ってきた。今回、国内投資促進や持続的賃上げに向けた税制面からの対応が盛り込まれたことを評価したい。

　また、物価高を背景とした対策について、給付金支給と所得税・住民税における減税に関する方針が打ち出されたが、消費の腰折れを防ぎ、持続的な経済成長とデフレからの脱却を確たるものにするための対応であると評価している。公債に依存する財政状況および歳出構造を平時に戻すというスタンスを踏まえ、政策効果などのデータに基づくワイズスペンディングを徹底いただくことが重要である。

　２０２５年大阪・関西万博についても、全国的な機運醸成の取り組みを促進することが明記されたことを地元経済界として歓迎している。

　さらに、「年収の壁」への対応について時限的な措置をとられているが、将来的な制度の見直しも含めた検討が今後加速されることを求めたい。