従来関西は、国内外からヒトを惹きつけ、
先駆けた取り組み・変革を通じて
時代に応じた社会・経済の新たな形をつくりあげてきた。
しかし、
バブル崩壊後の「失われた30年」
のうちにその心意気が薄れてしまったのではないか。
そして現在、
われわれはコロナ禍による大断層の真っ只中にある。
今こそ関西は、集団で行動する群れから
先駆けて飛び立つファーストペンギンの心意気で、
先駆けて取り組む企業やヒトを惹きつけ・育むことで新たな価値を生み出す地域になる、
また、関西自らが先駆けとなり社会経済の
新たな姿を提示・実践していく。
【 ご参考:ファーストペンギンについて】
集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へエサを求めて最初に飛び込むペンギンのこと。
転じて、先駆けて新たな取り組みを率先して行う主体のことを例えてファーストペンギンと呼ぶ。
公益社団法人関西経済連合会
会長
「先駆ける関西、ファーストペンギンの心意気」
これが「関西ビジョン2030」のコンセプトです。
1970年大阪万博以降、関西経済は低迷してきましたが、コロナ禍前までの直近は明るい兆しが出てきていました。
足元では、パラダイムシフトが起こりつつあり、コロナ禍を契機として今後さらに急速に進むと考えられます。
2030年までの10年間は、社会経済のあり方を新たな形にアップデートすべき「転換期」であるとともに、
関西にとっては「2025年大阪・関西万博」等で国内外から注目を集める “ゴールデンタイム”です。
コロナ禍の状況を乗り越え、大阪・関西万博を成功させ、SDGsのゴールでもある2030年に向けて
関西を新たな発展軌道にのせていけるか、この先数十年の関西の将来を左右する分水嶺になります。
コロナ禍を変革のきっかけと捉え、失敗を恐れず先駆けていく強い意志と大胆な実践が求められます。
2030年に向けて、われわれ関西がどのような未来を拓き、ワクワクする価値観を打ち出していくか。
このような認識のもと、「関西のありたき姿」 を構想し、
今後10年間の活動の羅針盤としての方向性を長期ビジョンとして12年ぶりにとりまとめました。
「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。
ゆえに、夢なき者に成功はない」
2030年の「関西のありたき姿」を実現する。そしてGRP20%経済圏をめざす。
有言実行し、成果を出してこその関経連であります。
今後、具体的な中期計画を策定し、不退転の覚悟で挑んでまいります。
>>さらなる少子高齢化・人口減少やグローバル化の進展、技術の急速な進歩・デジタル化、
価値観・ライフスタイルの多様化などを背景に、また、新型コロナウイルス感染症が起因となり、
社会・経済のあり方が根本から変わる兆しがみられ、今後も急速に進むことが想定される。
>>関西は、1970年に開催された大阪万博以降、経済や人の流れが長期的に低迷してきたが近年は持ち直しつつある。
また、インバウンドの増加や2025年大阪・関西万博の開催などにより国際的な交流の場として認知度が
高まりつつある。
>> 起こりつつあるパラダイムシフトをふまえ、未来起点から、2030年に向けた関西の長期ビジョン
「関西のありたき姿」「実現するための関経連による取り組み方向性」を策定する。
>>世に一石を投じるとともに、ありたき姿の実現にむけて関経連による変革と挑戦を社内外に示す。
少し前まで
これから~足元から2030年その先に向けて~
少し前まで
これから
少し前まで
これから
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これから
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これから
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これから
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これから
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これから
ありたき姿の実現に向けて
7本の矢を放つにあたって重要な視点として
「Look West」「ONE関西」を設定する。
広域的視点による資源の最適活用
個性ある都市の有機的つながり
さまざまな関係者の結集
ありたき姿の実現に向けて、まずは関経連が率先して取り組んでいくが、
この動きをより大きく確実に進めていくために、 結集すべき推進力として次の3つの力があると考える。
「アジアを見よ」
世界・アジアの中の関西であるとの認識のもと、アジアと関西の双方向のつながりの活発化に向けて徹底的なアジア目線で取り組んでいく。
「西日本を見よ」
歴史的にも地理的にもつながりの深い西日本とあらゆる分野での連携を模索すべきと考える。
「関西自らを見よ」
「東京一極集中を是正すべき」と言うだけではなく、関西がどのように発展していくべきか、関西独自の強みを生かし自らの力で切り拓いていく。
「広域的視点による資源の最適活用」
限られた資源を最大限活用するために、各府県の個別最適ではなく、関西広域で一体となった総合力を発揮する全体最適の視点で効果的・効率的に取り組んでいくべきと考える。
「個性ある都市の有機的つながり」
中核的役割を担う突出した唯一の都市がある地域と比べ、関西は比較的近い範囲に大きな力を備えた個性ある都市が複数存在している。それら各都市が有機的に連携し、関西全体としての総合力を高めることが重要である。
「さまざまな関係者の結集」
企業をはじめ、大学や行政、NPOなどの各関係者が、バラバラに取り組むのではなく共通の目的を達するために一つになり、おのおのの強みを発揮してくことが求められる。
特色ある研究や大学発スタートアップを生み出す知の拠点として、また、将来を担う人材の輩出や学び直しの機会を提供する教育機関として、大学は地域において重要な役割を担っている。
特に、関西は優れた大学の集積する地域であり、その強みを最大限に生かすべく、大学を重要なパートナーととらえ、双方の課題や期待などに関する対話を通じて、あらゆる分野でどのような協創をできるかを模索し、実践していく。さらに、関経連の主張や提唱が世の中において浸透し共感されるよう、各分野において専門性を有する大学との連携を積極的に進める。なお、知を生み出す拠点として大学とともに各研究機関の存在も強く意識していく。
地域の発展において、経済活動の主体でありさまざまなリソースを有する企業が果たす役割は非常に重要であり、社会に大きなインパクトを与える力がある。また、スキルや経験、ネットワークを生かして社会貢献するプロボノなど個人の力が担う役割も近年注目されている。
このような民の力が関西の地域発展において大きな力となっていた歴史をいま一度思い起こし、今後の取り組みにあたっての最も重要な推進力として位置づける。
関西の歴史を振り返ると、江戸幕府の成立以降、長年の間、行政との距離が離れていたこともあり、他地域と比べると関西は公へ期待する気風がこれまで比較的薄く、良くも悪くも独立独歩の気概を持ってきたと言える。しかしながら、先般の新型コロナウイルス感染症への対応にみられたように、行政による対応いかんによっては地域の社会経済を大きく左右する。
関経連として、各府県をはじめとする自治体はもちろんのこと、特に設立に深く携わった、日本で唯一の府県を越えた広域行政体である関西広域連合を主なパートナーとして、関西広域における視点での共創を常に意識して取り組んでいく。
ありたき姿の実現に向けて今後取り組むにあたっては、関西に脈々と受け継がれ、今後も不変であるべき本質を見失ってはならない。
関西の底流にある本質としては、まず歴史にもとづく伝統、そしてその伝統が育んできた文化の集積があげられる。気候や地形などの風土が感性を磨き、その感性が人々の価値観や行動様式を長年にわたって育むとともに、街の景観や古典芸能などの歴史遺産といった唯一無二の価値が現代まで受け継がれてきた。このほかに、関西には、日本海や太平洋をはじめ瀬戸内海の東部に位置する大阪湾・播磨灘、琵琶湖、各河川のほか、都市と近接する六甲山など多彩で豊かな自然環境がある。
また、進取の気性や寛容さ、自主自由、独創性や面白さを評価する気風などの関西スピリットも大いに発揮していくべき本質である。こういった関西の底流にある本質を生かした新たな時代への発展が関西らしい、関西独自の魅力につながっていくことが不可欠である。
「アジア・ビジネス創出プラットフォーム(ABCプラットフォーム)」 推進
世界における交流拠点としての機能強化
企業や大学などの枠を超えた協業や研究開発の活性化につながるイノベーション・エコシステムの構築
関西各地におけるイノベーション創出や社会課題の解決に向けた多様な主体による混じり合い・協業を促す仕組みづくり
関西広域連合の機能強化に向けた取り組み広域の視点で実施すべき施策に必要な権限・財源の大胆な移譲に向けた提案
道州制を含む分権・分散型社会に向けた働きかけ
多様なステークホルダーを意識した新たな時代における企業が果たすべき役割のあり方を浸透させるための仕組みの提唱
行政などと企業の連携強化に向けた取り組み テーマ例:地方の活性化や災害・感染症への対策など各社会課題、エネルギー・地球環境問題
活躍の場を求めるヒトを惹きつけ・育むNo.1地域に向けた実践 企業を舞台に活躍したいヒト(まずは女性・留学生)、さまざまな分野で世界に先駆ける ヒト(起業家、トップアスリート、アカデミアなど)、一つの組織にとらわれない・雇用によらない働き方を選択するヒト
雇用の多様性と流動性の向上に向けた取り組み 企業の雇用制度・大学教育のあり方、各法制度などに関する先駆的な課題提起
健康・医療分野におけるデータ利活用の推進
スポーツ先進地域に向けた取り組み 「する」「みる」「ささえる」スポーツの活性化、ワールドマスターズゲームズ2021関西のレガシーを創出・継承する仕組みづくり
地域としてのDX推進の諸方策をとりまとめたブループリントの策定
~「関西DX戦略2025(仮称)」 ~