12月8日(金)に第3回関経連D&Iフォーラムを開催します。開催に向けて、今回は、これまでの関経連D&Iフォーラムの振り返りと今回のフォーラムの見どころ等について紹介します。
関経連D&Iフォーラムの概要
関経連D&Iフォーラムは、「関西ビジョン2030」の中で掲げた「ヒトを惹きつける舞台となる」ことを達成するため、「ダイバーシティ&インクルージョンの先進地化」に向けた取り組みの一環として開催しています。リアル・オンライン併用で行っており、毎年250名程度が参加しています。
2021年の第1回目では、企業におけるD&I推進の基本理念とアクション、目指すべき姿を共有する「関西D&Iビジョン」(※)を公表。まずは、ファーストステップとして、女性活躍推進をメインに、D&Iに関する各企業の取り組みを加速させるべく、情報発信を行いました。第2回では女性活躍推進にとどまらず、女性・外国人・シニアなど幅広い観点から議論を進め、関経連加盟企業において、D&Iの取り組み拡大に対する理解を増進させる機会とするため、D&Iを取り巻く環境を踏まえた各企業の事例紹介を行いました。
(※)関経連D&Iビジョンに関する詳細はこちら
第3回関経連D&Iフォーラムについて
関西高度外国人材活躍地域コンソーシアム事業を開始する今年度、第3回目のD&Iフォーラムは、留学生を含む高度外国人材に焦点をあてて開催します。開催概要は以下の通りです。是非、ご参加くださいますようお願いします。
- 開催日:
- 12月8日(金) 15時~17時
- 場 所:
- QUINTBRIDGE・オンライン
https://www.quintbridge.jp/
開会挨拶
(岩谷産業 代表取締役会長兼CEO)
(川崎重工業 執行役員 マーケティング・渉外本部長)
亜細亜大学 アジア研究所 教授 九門 大士 氏
- パネリスト:
- 亜細亜大学 アジア研究所 教授 九門 大士 氏
関西経済連合会 D&I専門委員会 副委員長 稲付 嘉明
(カワソーテクセル 社長)
ウイリス ジャパン サービス アカウント マネージャー
フェラーリ・シモン 氏
関西高度外国人材活躍地域コンソーシアム コーディネーター
吉田 圭輔 氏
- ファシリテーター:
- ダイバーシティ研究所 代表理事 田村 太郎 氏
- 閉会挨拶
- 関西経済連合会 D&I専門委員長 柿原 アツ子
これまでの関経連D&Iフォーラム
第1回関経連D&Iフォーラム
- 開催日:
- 2021年11月19日(金)
- 場 所:
- MUIC KANSAI・オンライン
https://www.muic-kansai.jp/
- 次 第:
- オープニング
- 開会挨拶
- 関西経済連合会 会長 松本 正義
- 関西D&Iビジョンの発表
- 関西経済連合会 D&I専門委員長 山内 千鶴
第1部 基調講演
「関西におけるD&I先進地化への可能性について
企業におけるダイバーシティ推進に関する取り組みから」
三菱リサーチ&コンサルティング
執行役員主席研究員 矢島 洋子 氏
ダイバーシティを推進するには、多様な人材を受け入れる組織になることが必要である。ライフイベントに即した柔軟な働き方・休み方といった「就業継続支援」と多様な人材を公正に処遇する評価や、時間制約の有無にかかわらない職務経験・教育機会を与える「能力発揮・キャリア形成支援」という男女双方を対象とした永続的な取り組みにあわせて、女性活躍推進法に基づく計画の策定や目標設定など女性活躍を積極的に推進するポジティブアクションを暫定的に取り組むことが求められる。
第2部 パネルディスカッション
「多様な人材の能力を最大限発揮するには」
厚生労働省政策評価に関する有識者会議 労働・子育てWG委員
渥美 由喜 氏
関西はダイバーシティに関するネットワークが複数あり、D&Iのポテンシャルがあると感じる。しかし、連携が取れていないことが課題である。密に連絡を取ることで相乗効果が期待できるのでは。
関西経済連合会 D&I専門委員副委員長
國井 美和 氏
東京と比べ、関西は環境変化のスピードが遅いと感じる。しかし、関西は他の企業の人事やダイバーシティの担当者の顔が見えるという強みがある。取り組みが進んでいる企業の情報収集をするなど、企業同士がつながることで、関西全体が成長していくことができるのでは。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
執行役員 主席研究員
矢島 洋子 氏
女性活躍推進法の施行から5年がたち、管理職候補の女性を登用したが、次に何に取り組めばいいのか、という質問を多く受けた。現在の条件で女性の管理職を増やすという短期的な取り組みと、多様な人材が活躍しやすい環境に組織を変えるという長期的な取り組みが必要である。
ダイバーシティ研究所 代表理事
田村 太郎 氏
社会のあり方をそのままにして多様な人を適合させる「同化」ではなく、社会そのものを多様性が受け入れられるよう変化させる「共生」が本当のダイバーシティである。また、日本でダイバーシティを進めるには、「第3次産業での労働力人口の確保」と「世帯あたりの所得上昇」が課題である。
第2回関経連D&Iフォーラム
- 開催日:
- 11月10日(木)
- 場 所:
- QUINTBRIDGE・オンライン
https://www.quintbridge.jp/
- 次 第:
- オープニング
- 開会挨拶
- 関西経済連合会 会長 松本 正義
- 2022年度D&I(女性活躍)に関するアンケート結果の報告
- 関西経済連合会 D&I専門委員長 山内 千鶴
(※) D&I(女性活躍)に関するアンケート結果に関する詳細はこちら
第1部 基調講演
「多様性がもたらす企業の躍進」
東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長
宮原 淳二 氏
- 近年、D&Iに「Equity(公正性・公平性))」が加わった「DE&I」が注目されている。 効率性の観点から社会全体の仕組みがマジョリティを中心に形成されているが、マイノリ ティの意見を取り入れることで職場環境の改善や新たなビジネスが生まれる可能性もある。
- 「シニア」「外国人材」「障がい者」「病気を抱えて働く社員」など、社員一人一人の状況が多様化している。上司は部下の「育児」や「介護」を代わることはできないが、当事者の仕事量を調整し、また周囲の協力が得られるようマネジメントすることが必要。お互い様精神を醸成する職場へ!
第2部 パネルディスカッション
「D&I先進地関西を目指して~関西の企業事例から~」
- パネリスト:
- 江崎グリコ グループ人事部採用グループ長 吉原 聖子 氏
大和ハウス工業 本社経営管理本部人事部長 菊岡 大輔 氏
堀場製作所 理事 管理本部副本部長 森口 真希 氏
- ファシリテーター:
- ダイバーシティ研究所 代表理事 田村 太郎 氏
- パネリストより企業事例紹介
- 参加者投票
- 質疑応答
- まとめ
多様性を配慮しないことは企業にとってのリスクになっている。持続可能な企業経営や地域社会を考えていくのであればダイバーシティの推進は避けられない。現在マジョリティの側にいる人たちにとってもプラスの面があるということを分かりやすく示していかないと、D&Iは次のステージに進まないと思われる。関西がD&Iの先進地になるには、他の地域やグローバルで比較し、企業同士や自治体などと連携しながらD&I推進の仕組みをつくっていくことが重要である。