9月20日(火)、女性のエンパワーメント交流会を開催、会員企業から女性の役員や部長など35名が参加した。
積水ハウスの堀内容介 代表取締役副会長執行役員を迎え、「ESG経営のリーディングカンパニーをめざして」と題した講演を実施した後、山内千鶴 関経連D&I専門委員長のファシリテートのもと、質疑応答・意見交換が行われた。
堀内氏は、管理職層に必要なこととして、現場との対話を通して共感の輪を広げることに加え、「考える習慣」や「伝える力」を持つことをあげた上で、「部下の専門知識や経験を大事にしながら、自信を持ってマネジメントに取り組んでほしい。」とメッセージを送った。
【講演要旨】
「ESG経営のリーディングカンパニーに」
積水ハウスは、“「わが家」を世界一幸せな場所にする”をグルーバルビジョンとし、そのサブビジョンの一つに「ESG経営のリーディングカンパニーに」を掲げている。ESG経営の3要素は「全従業員参画」「先進的な取り組み」「社外評価向上」である。この実現に向けては、ダイバーシティを成長のドライバーにすることが重要であり、これまで様々な仕掛けをしてきた。
ダイバーシティ推進方針として「女性活躍推進」「多様な人財の活躍」「多様な働き方の推進」の3つの柱がある。「女性活躍推進」では、2005年から女性営業・技術職の積極採用を進めたほか、2014年には女性管理職候補者向けの「積水ハウス ウィメンズカレッジ」を開講した。「多様な人財の活躍」では、お互いの多様性や価値観、働き方を認め合い活かすこととしており、LGBTQの取り組みや障がい者雇用を推進している。「多様な働き方の推進」では、男性社員は1か月以上の育児休業を完全取得することとしており、取得率100%を達成している。
参加者へのメッセージ
皆さんへのメッセージを2点申し上げたい。一つは、現場との対話を大切にし、共感の輪を広げていくこと。全従業員を巻き込むことで、「ESGの中に会社がある」ことの実現に近づく。
もう一つは、個性を活かした自分らしいリーダーシップで、ということである。上手くリーダーシップをとるには、周りと同じ動きをしてはいけない。ご自身の個性を殺すことなく、リーダーシップを発揮していただきたい。そうすることで、相手にもダイバーシティの大事さが伝わる。
【質疑応答・意見交換】
- 管理的立場になりこれまでと仕事の中身が変わる中、案件を経営層に通すことに難しさを痛感している。アドバイスをいただきたい。
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全て経験しないとマネージャーになれないのであれば社長には誰もなれない。「理解すること」と「全ての知識を入れること」は異なるということを認識してマネジメントに取り組んでほしい。
- 堀内様が仕事をするうえで大切にしている考えがあれば教えてほしい。
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営業の最前線では「感性」と「スピード」が大事である。感性とは、相手の気持ちを理解すること。スピードとは、お客様から与えられた課題に対して期限よりも早く提出すること。そこでのリアクションを理解する感性があれば、期限までによりよい答えを出すことができる。マネージャークラスには「考える習慣」と「伝える力」が重要である。今の課題が何か、常に考える習慣を持つことがマネージャーとしての成長につながる。せっかく考えたアイディアも伝える力が稚拙だと失敗する。