11月10日(木)、第2回関経連D&Iフォーラムを大阪市内の会場「QUINTBRIDGE」とオンラインの併用にて開催、松本正義会長や牧野明次副会長、山内千鶴 D&I専門委員長など250名が参加した。
冒頭、松本会長は「多様な価値観を企業の成長に取り込み、イノベーション創出につなげたい」とあいさつした。続いて、山内専門委員長から「D&I(女性活躍)に関するアンケート」の調査結果概要について報告が行われた。 その後、宮原淳二東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長による基調講演ののち、田村太郎ダイバーシティ研究所代表理事のファシリテートのもと、企業の人事・D&I担当者が登壇し、パネルディスカッションを実施した。
最後に、牧野副会長は、「社員一人ひとりが、D&I推進を自分事として真摯にとらえ、根気よく粘り強く活動することが必要」と締めくくった。
【開会挨拶】
関西経済連合会 松本正義会長- コロナ禍で柔軟な働き方が広がり、企業において働き方の見直しが進められている。今般のコロナ禍の経験は、新しい事業環境に対応する上での企業におけるD&I推進の重要性を再認識させられた。
- 関経連としても、取り組みのファーストステップとして女性の活躍推進をしっかりと支援していくとともに、この動きを外国人、高齢者、障がい者など様々なD&I推進に広げ、多様性を組織の力として取り込み、イノベーションを生み出す企業行動につなげていきたい。「ファースト・ペンギンの心意気」をもって関西のD&I先進地化に取り組んでいく
【基調講演】
~組織の多様性推進は企業における経営戦略~
東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長 宮原 淳二 氏(要旨)
- 近年、D&Iに「Equity(公正性・公平性))」が加わった「DE&I」が注目されている。効率性の観点から社会全体の仕組みがマジョリティを中心に形成されているが、マイノリティの意見を取り入れることで職場環境の改善や新たなビジネスが生まれる可能性もある。
- 「シニア」「外国人材」「障がい者」「病気を抱えて働く社員」など、社員一人一人の状況が多様化している。上司は部下の「育児」や「介護」を代わることはできないが、当事者の仕事量を調整し、また周囲の協力が得られるようマネジメントすることが必要。お互い様精神を醸成する職場へ!
【パネルディスカッション】
D&I先進地関西を目指して~関西の企業事例から~
パネリスト:江崎グリコ グループ人事部採用グループ長 吉原 聖子 氏
大和ハウス工業 本社経営管理本部人事部長 菊岡 大輔 氏
堀場製作所 理事 管理本部副本部長 森口 真希 氏
ファシリテーター:ダイバーシティ研究所 代表理事 田村 太郎 氏
大和ハウス工業 本社経営管理本部人事部長 菊岡 大輔 氏
堀場製作所 理事 管理本部副本部長 森口 真希 氏
ファシリテーター:ダイバーシティ研究所 代表理事 田村 太郎 氏
(要旨)
多様性を配慮しないことは企業にとってのリスクになっている。持続可能な企業経営や地域社会を考えていくのであればダイバーシティの推進は避けられない。現在マジョリティの側にいる人たちにとってもプラスの面があるということを分かりやすく示していかないと、D&Iは次のステージに進まないと思われる。関西がD&Iの先進地になるには、他の地域やグローバルで比較し、企業同士や自治体などと連携しながらD&I推進の仕組みをつくっていくことが重要である。
【閉会挨拶】
関西経済連合会 牧野明次副会長(要旨)
- 企業を取り巻く環境は、ますます不確実性が高まり、先行きは不透明な状況である。組織に多様性を増やすことでイノベーションや変化を起こし、企業の活力に繋げていくことが求められている。「関西D&Iビジョン」は企業の目指すべき姿として数値目標を設定しているが、数値目標の達成自体が目的ではなく、その先のイノベーションを見据えたうえで組織風土を変えていくというマインドで活動しなければ、その本質的な効果は得られない。
- 非財務情報の可視化や開示への対応は待ったなしの状況であり、D&Iも重要な要素となる。関経連では、D&I専門委員会の活動をさらに強化し、会員各社への細やかな支援を積極的に行っていきたい。