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2024.7.18 女性のエンパワーメント交流会

第7回女性のエンパワーメント交流会を開催

第7回女性のエンパワーメント交流会を開催

 7月18日(木)、女性のエンパワーメント交流会を開催、会員企業から女性の役員や部長など46名が参加した。澤田拓子 塩野義製薬取締役副会長を迎え、「変革を力に」と題した講演を実施した後、柿原アツ子 D&I専門委員長のファシリテートのもと、質疑応答・意見交換を行った。

 澤田氏は、開発品の申請取り下げなどのトラブルが続くなかで開発部長として変革プロジェクトを立ち上げた経験をもとに、「危機感の醸成、視野の拡大、双方向コミュニケーションやアーリーサクセス(初期段階での小さな成功体験)が重要」と述べた。
その後の意見交換会では、日本企業の経営層が抱える課題に関して質問があり「企業が成長していくためには、経営がいかに目利きをしてリスクを取れるかという点が重要」と語った。

第7回女性のエンパワーメント交流会を開催

【講演要旨】

  • 化合物開発担当責任者になった際、社内から怪訝の声もあったが、社外の大学の先生方からは好意的に受け入れられた。上司が最初に、先生方に対し責任者として紹介してくれたことが大きかった。
  • 子育ての際、夫は多忙で、自身も大学外科系の先生方も含めた訪問面談が必要で時間の予測が困難。社内では仕事の継続を疑問視する声もあったが、本人のSOSを待つとの上司判断がなされた。隣人や大学の先生方のサポートもあり、乗り越えられた。
  • 1990年代に医薬開発のグローバル化が進んだ。1997~1998 年頃の大幅な規制の見直しに対応するため、多くの臨床試験が停滞した。2000~2004年度の「第1次中期経営計画」中には、創薬・開発の課題が解決できず、国内市場に寄与した新薬がほとんどないという厳しい状況に陥った。シニアマネジャー7人からなる変革チームが変革を最優先課題として取り組み、課題の開発本部内外への共有、開発部門の業績を評価する指標の体系化と目標設定および管理方法の策定等を行い、「第2次中期経営計画」では目標としていた10品目連続承認取得を達成した。既に危機感は共有されていたため、変革においては視野の拡大研修や双方向のコミュニケーションやアーリーサクセス(初期段階での小さな成功体験)を重視した。
  • COVIDワクチンの開発に日本が出遅れた理由の一つに、系統的なエコシステムの未熟さがある。企業で個別の技術は存在していたが、それを日本全体としてうまく組み合わせ、効果を最大化するためのデータベースも体制も整っていなかった。今後に向けては、継続的エコシステムの確立が必要。企業側も、有事に即時の意思決定ができるよう、意思決定メカニズムの改革が求められる。
  • この変化の激しい時代で憩いていくためには、得意な分野を作る必要があり、仕事の意義、自分のやりたいことを見つけることが重要。自律的に動かないと能力が向上しにくい。前例はあくまでもその時代の最適解。未来の最適解ではないため、常に近未来の最適解を考え続ける必要がある。
第7回女性のエンパワーメント交流会を開催

【意見交換・質疑応答】

日本企業の経営について、課題と思うことなどがあれば教えてほしい。

企業が成長していくために、経営がいかに目利きをしてリスクを取れるかが重要だと感じている。