11月8日(金)、女性のエンパワーメント交流会を開催、会員企業から女性の役員や部長など35名が参加した。小林充佳 西日本電信電話相談役を迎え、「Moon Shot ~変革のリーダーをめざして~」と題した講演を実施した後、國井美和 D&I専門委員会副委員長のファシリテートのもと、質疑応答・意見交換を行った。
小林氏は、「『ときめいて、ひらめいて、きらめく』ことが重要だと社員に伝えてきた。“ときめき”によって良いアイディアが生まれ“ひらめき”、ひらめくと自身が輝き “きらめき”につながる。新たなチャレンジに際しては不安もあるだろうが、良いことがあるに違いないとポジティブにとらえ、自分自身をときめかせることが重要。また、職場の皆がときめくような環境をつくると、良い成果につながる」と述べた。その後の意見交換で、小林氏はリーダーのあり方について「部下に任せ、失敗を許容できるか」「言うだけではなく、実行・実現できてこそ」と語った。
【講演要旨】
- 通信設備のメンテナンスに関わってきた経験から、修羅場・土壇場・正念場と言うべき困難な場面でこそ、1.ネガティブになり過ぎずなるべくポジティブに物事を捉えること、2.立ち止まって冷静に物事を分析すること、3.二の矢、三の矢となる複数の代案を考え用意しておくこと、この3つが非常に重要であると考えている。
- 「ときめいて、ひらめいて、きらめく」ことが重要だと社員に伝えてきた。“ときめき”によって良いアイディアが生まれ“ひらめき”、ひらめくと自身が輝き “きらめき”につながる。例えば、異動など新たなチャレンジに際しては不安もあるだろうが、新しい人やさまざまな考え方に出会える、良いことがあるに違いないとポジティブにとらえ、自分自身をときめかせることが重要。また、部下も含め、職場の皆がときめくような環境をつくると、良い成果につながる。
- 社長就任当時、減収が続くNTT西日本を、通信の提供だけではなく、ICTの力で地域が抱える課題を解決する先駆者「ソーシャルICTパイオニア」としてサービスを提供するというビジョンを掲げ、社員を鼓舞し、地域の皆様にもアピールを行った。その上で、観光・まちづくりやヘルスケアなどさまざまなテーマの課題解決に向けて、パートナー企業の皆様と協業し、新しい会社を次々と興し、サービスの拡充を図った。また、NTT西日本が管轄する30府県で森林・林業DXなど、さまざまなプロジェクトを地域の皆様と推進した。そして、関西・西日本をさらに活性化させるためにオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」の運営を大阪・京橋で開始した。これら取り組みを軸に、増収基調へと転換させた。
- 会社のパーパスと、個人のパーパスつまり個人として実現しようとしている志や価値観の重なりは重要であり、それが、仕事を通じて社会に貢献していることの実感や、自身にとってのやりがいや生きがい、成長につながるのではないか。
- リーダーとしては、「知識・見識・胆識」という言葉を大事にしている。専門知識だけではなく幅広い知識や教養を学び吸収し続ける、そして、その知識をベースに自身の判断基準、つまり見識を持ち、判断したらやり通す胆力を持つことが非常に重要である。
- 「Moon Shot」という人類初の月面着陸をめざす計画のように、斬新かつ困難だが、実現すれば世の中や会社の業績に大きなインパクトをもたらす壮大で夢のある計画に挑戦することが重要だと考えている。一方で、単に斬新であるだけではなく、実現可能であることも求められる。そして、多くの人を巻き込み、一緒に挑戦してくれる仲間づくりも必要である。今後とも、自分自身、そしてNTT西日本も「Moon Shot」にチャレンジしていく。
【質疑応答・意見交換】
- リーダーとして意識していたことは何か。
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リーダーは苦難にも動じず、立ち向かい乗り越える力が求められるが、それは社員に任せ、時には失敗を許容するという経験により身につくものである。リーダーは言うだけではなく、実行・実現してこそであり、そのために、経験を重ね、胆力を養うことが重要である。