1. Home
  2. Topics
  3. 第9回女性のエンパワーメント交流会
Topics
2025.3.17 女性のエンパワーメント交流会

第9回女性のエンパワーメント交流会

第9回女性のエンパワーメント交流会を開催

3月17日(月)、女性のエンパワーメント交流会を開催、会員企業から女性の役員や部長など36名が参加した。新居勇子 ANAあきんど顧問を迎え入れ、「私のコミュニケーションとリーダーシップ」と題した講演を実施した後、山田実和 D&I専門委員会副委員長のファシリテートのもと、質疑応答・意見交換を行った。

 新居氏は「リーダーとして、行動で示すだけでなく、言葉できちんと伝えることが大切。また、社員の様子をよく観察し、特に表情を見て、元気かどうか、悩んでいないかを気にかけることが重要」と語った。また、リーダーに求められる姿勢として、「『人としてこうありたい』という軸を持つことが大切。そして、常に相手の立場に立って物事を考え、行動すること。わからないことは隠さず、弱さも見せる姿勢が、信頼につながる」と述べた。

 その後の意見交換で、新居氏は、組織文化の変革や社内浸透のポイントについて、「まずは自身の部署で成功事例をつくり、それを横展開していくことが効果的」と強調。また、「疑問に思ったことは積極的に口に出すこと。良く見せようとするのではなく、率直な姿勢を大事にすることが、組織の成長につながる」と語った。

第9回女性のエンパワーメント交流会を開催

【講演要旨】

  • 28歳で出向を経験。プロパー社員が多い職場では、「言わなくてもわかる」という風土が根付いておらず、新しい仕事に取り組みながらプロパー社員を育てることに大きな負担を感じた。この経験から、仕事において以心伝心は通用せず、先輩・後輩関係なく言葉で伝え合うことが何より大切だと学んだ。
  • 管理職となり、名古屋では法人営業を担当。地元の顧客とのつながりを大切にしたいと考え、週末には部下と市内を巡った。3カ月後には、地元出身の社員よりも土地勘に詳しくなった。ちょうど中部国際空港の開港時期でもあり、関空の国際線開通に携わった経験が活かせた。振り返ると、過去の経験に助けられることが多く、ベストを尽くせば結果が返ってくることを改めて実感した。
  • 管理職や執行役員に任命されたときは、その大役に感謝するとともに、名誉ある任務として全力で取り組もうと決意した。
  • ANAでは「アサーション」という、自分の意見を正直かつ適切に伝えるコミュニケーション手法を取り入れている。その根底には「自他尊重」の考えがある。過去の飛行機事故では、副操縦士が異変に気づきながらも機長に指摘できなかったことが原因となったケースがあった。こうした事故を防ぐため、今では事務職を含めた社内全体にアサーションの考え方が浸透している。リーダーとして「人としてこうありたい」という軸を持つことが重要だ。
  • 自分らしいリーダーシップを築くため、これまで関わった上司や周囲から学び、良い見本は積極的に取り入れ、悪い見本は反面教師として学んでいる。「ロールモデルがいない」という声を聞くこともあるが、決してそんなことはない。また、リーダーにとっては、常に相手の立場に立って考え、行動することも欠かせない。特に、人の表情に変化を感じたら、ためらわず声をかけることが大切だ。さらに、わからないことは隠さず、弱さも開示する姿勢が信頼につながる。
第9回女性のエンパワーメント交流会を開催

【質疑応答・意見交換】

組織文化の変革や社内浸透のポイントは何か。

まずは自部署で成功事例をつくり、それを横展開していくことが効果的。従来「アサーション」は乗員が自然に行っていたものだったが、整備部門が自部門で取り入れようとした。1年間実践した結果、うまく機能したため、「全社展開してはどうか」と整備部門から提案があり、実行に移された。こうして徐々に社内に浸透していったという経緯がある。