
11月11日(火)、女性のエンパワーメント交流会を開催、会員企業から女性の役員や部長など42名が参加した。川崎重工業 社外取締役 メラニー・ブロック氏からの講演の後、柿原アツ子 D&I専門委員長のファシリテートのもと、質疑応答・意見交換を行った。
ブロック氏は、ノンジャパニーズの視点から、日本社会や日本企業に根強く残るアンコンシャス・バイアスの存在を指摘。調和を重んじる日本人の姿勢や、阿吽の呼吸を前提とした日本特有のコミュニケーションは、グローバルな環境では必ずしも通用しないことがあると述べた。その後の意見交換では、ブロック氏の「周囲の人から力をもらうことが重要。コミュニティを大切にし、もしなければ自ら作っていってほしい」という言葉に、多くの参加者が共感を示した。

【講演要旨】
- オーストラリア出身で、日本での最初の仕事は大使館やオーストラリアで事業を行っている方々の通訳と翻訳。食品輸入会社としてMelanie Brock Advisoryを立ち上げ、現在は複数の企業の社外取締役を務めているほか、「Celebrating Women in Japan」というソーシャルメディアプロジェクトを通した女性のリーダーシップ形成にも取り組んでいる。
- 政治や経済の分野において、意思決定層にはまだ女性が少ない。「You can’t be what you can’t see(見えないものにはなれない)」。意思決定の世界に女性がいなければ、そこに行きたいとは思わなくなってしまう。
- 周囲に助けを求めることを恐れず、自分を犠牲にしないこと。また、プレッシャーを感じすぎず、完璧でなくてもいいと考えることが重要。
【質疑応答・意見交換】
- 女性活躍の分野で精力的に啓蒙活動に取り組まれているが、モチベーションを保つ工夫があれば教えてほしい。
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モチベーションの源泉は仲間。啓蒙活動はなかなか理解を得られず、疲弊してしまうこともあるかと思う。そのような中で、周りの人からパワーをもらうこと、そのようなコミュニティを作ることは重要。
- 同質性の高い組織は意思決定がしやすいこともあり、結局同じような人間ばかりが集まっているという状況になりがち。このような環境を打破するにはどうしたらいいか。
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クリエイティブで勇気のあるリーダーの存在が必要。特に日本では、失敗が許されないような環境でプレッシャーがかかりがちであるが、完璧でなくてもいいと思える環境を作っていくことが求められる。